仏壇の置き場所について
正しい置き場所のポイントを理解し、
毎日お参りしたくなる環境をつくりましょう!!
お仏壇はどこに置くのが良いのか?
よく耳にするのが、「北向きはいけない」とか「お仏壇の上に足を踏み入れる場所はいけない」などです。
こんなことを聞けば、どこに置いたら良いのか迷ってしまいますね。
ですが、実はお仏壇の置き場所に必ずこうでなければいけないという決まりはないのです。
重要なのは、"毎日お参りしたくなる場所"にすることです。
どんなに人から聞いたような、本に書いてあるような、ここが良いとされる場所にしても、毎日お参りできないような場所では意味がないのです。
お仏壇は「供養の心、感謝の気持ち」を持って、毎日お参りすることに意義があります。
お仏壇の置き場所には、4つの代表的な場所があります。
仏間、床の間、居間、洋室(リビング)の4つです。
順番にわかりやすく下記に図解にしてあります。
仏間
お仏壇は心の拠りどころとなる大切な場ですので、お仏壇専用のお部屋となる仏間が理想的です。
仏間へのご安置例




仏間には「半床仏間」「地袋付仏間」「三尺仏間」「一間(六尺)仏間」などがあります。
仏間の種類や大きさにより、お選びになるお仏壇の寸法も異なります。
お仏壇を選ぶ際にはしっかりと仏間の寸法を測りましょう。
ご自宅の該当する仏間の下記図の各番号寸法を計ってお店に行かれると、ピッタリのお仏壇がご提案できます!!

- ①内側の天上までの高さ
- ②鴨居(かもい)までの高さ
- ③柱の内側の幅
- ④壁の内側の幅
- ⑤柱正面からの奥行
- ⑥柱内側からの奥行
- ⑦鴨居までの奥行
- ⑧地袋(じぶくろ)の高さ
- ⑨雑布摺(ぞうきんず)り

- ①内側の天上までの高さ
- ②鴨居までの高さ
- ③柱の内側の幅
- ④壁の内側の幅
- ⑤柱正面からの奥行
- ⑥柱内側からの奥行
- ⑦鴨居までの奥行
- ⑧框(かまち)の高さ
- ⑨雑布摺り
仏間の改築例
「家(うち)には仏間がないのですが...。」という方には、『仏間の改築』という方法があります。
仏間の改築は、押し入れやクローゼットを改築して、お仏壇に合わせて仏間を造ることです。先に仏間を造ってしまって、気に入ったお仏壇が入らなかった...なんていうことにならないようにしましょう。



床の間

床の間に仏壇を置くなんて!と思う方もいらっしゃるようですが、床の間は家の中で最高の場所です。
そこにお仏壇をご安置することは、真に道理に叶うことなのです。
お仏壇は仏の壇、仏家である日本人の最も崇拝する仏様をお祀りするのに理想の場所といえるでしょう。
居間

最近では仏様が寂しくないようにと、いつも家族が集まる居間にご安置する方もいます。
居間の一番のメリットはお給仕しやすく、毎日お参りする場所としては最適です。
洋間(リビング)

住環境の変化にともない、洋間にお仏壇を置きたいというニーズも増えてきています。
そんなライフスタイルに合わせ、洋間(リビング)に合わせたモダンなタイプのお仏壇も数多くございます。
お仏壇を長持ちさせるために
お仏壇を長持ちさせるためにも、2つの注意点に気をつけると良いでしょう。
- 直射日光の当らない場所
お仏壇は木製品のため、「反り」や「ねじれ」が生じないようにしましょう。 - 風通しの良い場所
湿気が多いと傷みやすくなります。
お仏壇の向きに定めはあるのか?
お仏壇の向きは、必ずこうでなければいけないという決まりはないのです。
最近では、住宅事情もあり、ご安置場所が限られてしまうケースも多々あります。
お仏壇の向きを気にされるよりも、お給仕しやすい、お参りしやすい場所にされると良いでしょう。
それでも、気になる方にお仏壇の向きに関しての諸説をご紹介しますので、参考になさってください。
南面北座説

南面北座説は中国の慣習で、王様が南に向いて座ると家来は王の前に座す、つまり北を向くことになります。
この図式が敬う人の位置を示すため、日本でも南向きが良いといわれるようになり、仏壇・神棚・床の間は南向きに造り安置するようになったのであると伝えられています。
東面西座説

インドの慣習で、東は日の出るところ、つまり立身出世のめでたい位置という意味と訳したことから主人は東向きに座ると良いとされます。
日本でもこれを取り入れ、仏壇・神棚・床の間は東向きに造り安置するようになったといわれています。
極楽浄土説

阿弥陀様がおわします極楽浄土とはどこか?
それはインドの彼方十万億土の先にあるという、神妙な方便が、正しく理解されず言葉だけが独り歩きしたのでしょう。
そのインドの彼方十万億土の先とは日本から見るとはるか西方になるため、東向きに仏壇を安置すると礼拝する時は西向きに拝むことになります。したがって阿弥陀様のおわします極楽浄土の境地に向かって礼拝することが出来るから東向きが良いという説ですが......。
これは無明(むみょう)であり誤りです。
仏教典では「ほとけ」というのは自分の心にあるもので、他にこれを求むるは真にはかないものと説いています。
一休さんでおなじみの一休宗純も「阿弥陀とは南(皆身)「みなみ」にあるを知らずして、西を願うは、はかなかりけり」と説いています。
春夏秋冬説

東は太陽が昇る方角、これを万物千草の芽生えである春の位置と示します。南は太陽が真上に昇り夏の旺盛さをかもし出します。
春に芽生えた万物は夏に実を結ぶ。西の秋は実の取り入れを意味し北の冬はそれを納める位置と説いています。
つまり、総ての法則はそれなりの理(ことわり)をもっているのです。それゆえに「正しい仏教には不思議なし」というのであります。
お釈迦さまは宇宙の真理・法則・道理を説いているのです。
仏教典では東西南北・上下左右等に良し悪しの区別は付けていないことを参考にしてください。
その他の口伝説

神棚と仏壇を向かいあわせることは大凶である、また床の間と仏壇や神棚を向かいあわせることは大凶であるという説ですが、床の間はその家の最高の上座です。
したがってそれに相対するということは、床の間に向かう方が下座の位置になりますので、凶とされるのでしょう。